抗甲状腺抗体が陽性とはどういう意味?
抗甲状腺抗体は甲状腺の病気の診断になくてはならない存在です。
抗甲状腺抗体というのは自分の甲状腺が攻撃された結果できた抗体のことです。
かなりややこしく感じていると思います。
とにかくここでは抗甲状腺抗体が血液検査で陽性だとわかったら
甲状腺の病気だと診断できると理解してください。
ただ、そもそも陽性ってどういう意味?などいろいろ疑問があると思います。
そこで抗甲状腺抗体が陽性とはどんな意味なのか?解説します。
抗甲状腺抗体が陽性ってどういうこと?
- 抗サイログロブリン抗体(TgAb)
- 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)
- TSHレセプター抗体(TRAb)
の3種類があります。
まずそもそも抗甲状腺抗体が陽性というのは
血液検査で、上記3つの抗甲状腺抗体のどれかが存在したという意味です。
もう少し突っ込んでお話しすると、抗甲状腺抗体が存在したといっても
基準値以上に存在した場合を陽性といっています。
だから基準値以下の数字であれば、
抗甲状腺抗体がいくらあなたの体に存在していても陰性という意味になります。
ここまで踏まえたうえでもし仮に抗サイログロブリン抗体が陽性、
つまり抗サイログロブリン抗体が基準値以上に存在した場合には、
つまり陽性の場合には橋本病やバセドウ病の可能性が考えられます。
ちなみに抗サイログロブリン抗体の基準値は40U/mL未満です。
だから血液検査で40U/mL以上という結果であれば、
抗サイログロブリン抗体が陽性という判定になります。
次に抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体の基準値は50U/mL未満です。
もし50U/mL以上あれば、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体が陽性と判定されます。
- バセドウ病
- 橋本病
の可能性があります。
最後にTSHレセプター抗体の基準値は1.9%以下です。
だから1.9%より高い数値ならTSHレセプター抗体が陽性です。
もしTSHレセプター抗体が陽性ならバセドウ病の可能性があります。
- 抗サイログロブリン抗体
- 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
- TSHレセプター抗体
すべての抗甲状腺抗体が陽性になります。
- 抗サイログロブリン抗体
- 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
の2つの抗甲状腺抗体が陽性になりますが
TSHレセプター抗体は陰性になります。
だから、橋本病とバセドウ病の診断も抗甲状腺抗体で診断が可能です。
もっとも橋本病は甲状腺ホルモンの値が低くなりますし
バセドウ病なら甲状腺ホルモンの値が高くなりますので
甲状腺ホルモンの値でもある程度診断が可能です。
ただ、たとえば甲状腺ホルモンの値が低い原因に
- 橋本病
- クレチン病
などいろんな病気の可能性がありますから
やはり抗甲状腺抗体を調べて陽性かどうか判断する意味はあります。
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