潜在性甲状腺機能低下症の症状は?
潜在性甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの量は正常ですが
TSHの量が多くなっている状態のことです。
TSHとは甲状腺刺激ホルモンのことです。
甲状腺ホルモンは甲状腺で作られるホルモンです。
甲状腺ホルモンは体の中では常に一定量存在するように調節されています。
どうやって甲状腺ホルモンの量を調節しているか?というと
脳下垂体から分泌されるTSH(甲状腺刺激ホルモン)によってです。
たとえば甲状腺ホルモンの量が減ると
TSHの量を増やし、甲状腺を刺激し甲状腺ホルモンの量を増やします。
逆に甲状腺ホルモンの量が増えると
TSHの量を減らし、甲状腺の刺激を抑え甲状腺ホルモンの量を減らします。
そもそも甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの量が不足している状態です。
『潜在性』甲状腺機能低下症と『潜在性』がついているくらいですから
甲状腺ホルモンの量は正常です。
でも、TSHの値が少し高いということは
甲状腺ホルモンの量が不足し始めていることを体が認識している状態です。
この状態が潜在性甲状腺機能低下症です。
TSHの量を増やさないと甲状腺ホルモンの量を一定に保てなくなった状態という説明もできますね。
では潜在性甲状腺機能低下症になるとどんな症状がでるのでしょうか?
潜在性甲状腺機能低下症の症状とは?
潜在性甲状腺機能低下症は女性や高齢者に多いです。
人間ドックを受けると約5%の確率で見つかります。
割合としては男性が3.6%、女性が5.8%の確率で
潜在性甲状腺機能低下症だと診断されます。
ところで潜在性甲状腺機能低下症の症状ですが
そもそも甲状腺ホルモンの量は正常なわけです。
甲状腺ホルモンの量が多いと新陳代謝が激しくなり
甲状腺機能亢進症として様々な症状がでてきます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
⇒甲状腺機能亢進症で起こる7つの症状をチェックしよう
逆に甲状腺ホルモンの量が減ると新陳代謝が悪くなり
甲状腺機能低下症として様々な症状が出るわけです。
だから潜在性甲状腺機能低下症のように甲状腺ホルモンの量が正常な場合には、
自覚症状はありません。
ただ、人間ドックで潜在性甲状腺機能低下症が見つかった方が
精密検査を受けることで・・・
- 脂質異常
- 骨密度低下
- 骨が折れやすい状態になっている
ということがわかることがあります。
脂質異常は動脈硬化の原因です。
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の原因です。
つまり、
- 骨折
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
などが起こりやすくなるわけです。
骨折の症状は激しい痛みですし
脳梗塞は激しい頭痛、心筋梗塞も胸に激しい痛みの症状がでます。
したがって、
- 骨折による激しい痛み
- 心筋梗塞による胸の痛み
- 脳梗塞による頭痛
の症状が将来的にでる恐れもありますから
もし人間ドックで潜在性甲状腺機能低下症が見つかったら
医師と相談の上、適切な治療を受けるようにしましょう。
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