新生児に発見されるクレチン病とは?
新生児のクレチン病について解説します。
あまり聞いたことがない病名ですが
生後4〜5日で行う新生児マススクリーニングで発見することが出来ます。
そういわれてみると娘を出産した時に
検査の申込書に記入したような気がして母子手帳を見てみたら
マススクリーニング検査の結果用紙が貼ってありました。
生後4〜5日以内に足の裏から一滴血液を採取し検査するのがマススクリーニングです。
新生児マススクリーニングは将来障害が出るような病気を症状が出る前に
早期発見、早期治療していくために行います。
その中のひとつにクレチン病があります。
クレチン病は先天性甲状腺機能低下症といわれます。
甲状腺機能低下症といえば成人がかかる病気のイメージがあります。
- 先天性
- 後天性
の2つがあります。
先天性のものや幼少期に発症するものをクレチン病とされています。
ではクレチン病とはどんな病気なのか気になりますよね。
クレチン病かどうかの診断は
マススクリーニングで甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定します。
原因としては甲状腺の働きが悪く甲状腺ホルモンがうまく作れなかったり、
本来、首の前部にある甲状腺が別の場所にある場合と、
そもそも甲状腺がない場合もあります。
また、甲状腺の大きさが十分でなかったりすることで起こります。
クレチン病は約8000人に1人の割合で見られます。
男女比は、1:2で女児の方が多いです。
クレチン病でも出生時体重は正常なことが多くしだいに成長、発達が遅れてきます。
また新生児は黄疸が出ることが多いのですが
クレチン病の新生児はその黄疸が長期間とれないことがあります。
クレチン病の場合は顔つきの異常、手足の指の短いことが特徴として挙げられます。
- まぶたがはれぼったい
- 鼻が低い
- 舌が大きい
- 便秘
- 泣き声が低い
- 甲状腺が腫れる
などです。
また皮膚が乾燥し汗をかきにくく腹部は大きく膨れています。
クレチン病はこれらの症状が全て出ることは少なく
いくつかの項目が当てはまるて程度です。
しかも新生児期には
ほとんど症状出ずに時間が経過してしまうこともあります。
そこでマススクリーニングを行って甲状腺に異常がないかを調べる訳です。
甲状腺は体の機能維持に必要な甲状腺ホルモンをつくる器官です。
その甲状腺ホルモンが不足した状態で治療せずに長時間経過すると、
成長、発達が著しく遅れ、低身長、治療障害をきたすようになります。
生後3か月以内に治療を開始出来れば正常の発達を期待できますが、、
生後12か月以降では知的障害が残ることもあるといわれています。
そのため新生児の時期に適切な検査をして早期に発見して、
すぐに治療を開始することが大切です。
こちらも参考に!⇒クレチン病の発症リスクはどれくらいあるの?
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