橋本病の検査数値はどうなる?
橋本病かどうか診断するために血液検査を行います。
橋本病は自己免疫疾患です。
自分の細胞が自分の甲状腺の細胞を破壊する病気です。
自分の細胞を攻撃する物質は
- TgAb(抗サイログロブリン抗体)
- TPOAb(抗ペルオキシダーゼ抗体)
この2つが関係しています。
だから血液検査ではこの2つの数値を調べます。
この2つの基準値は
- TgAb(抗サイログロブリン抗体)の基準値は400/ml未満
- TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダー抗体)の基準値は50U/ml未満
なので、もし橋本病であるなら
TgAbが400/ml以上、TPOAbが50U/ml以上という数値になるはずです。
また、橋本病になると甲状腺が破壊されていきます。
甲状腺が破壊され始めると、甲状腺ホルモンの量が不足し始めます。
甲状腺の役割は甲状腺ホルモンを作ることだからです。
甲状腺が破壊され甲状腺ホルモンを作れなくなるわけです。
甲状腺ホルモンの数値は
- FT3(基準値:2.30〜4.30 pg/ml)
- FT4(基準値:0.90〜1.70 ng/m)
です。
橋本病になると、甲状腺ホルモンの量が減るわけですから、
FT3もFT4も上記基準値以下の数値になる可能性が高いです。
それから、甲状腺ホルモンの量が減ると
脳にある脳下垂体はTSH(甲状腺刺激ホルモン)というホルモンをたくさん放出するようになります。
TSHは甲状腺ホルモンの合成を促す作用があるからです。
TSHの血液検査でわかります。
TSHの基準値は0.50〜5.00μIU/mです。
もし橋本病ならTSHの数値が基準値以上になります。
最後にまとめますと
橋本病かどうか診断するための血液検査としては
- TgAb(基準値:400/ml未満)
- TPOAb(基準値:50U/ml未満)
- FT3(基準値:2.30〜4.30 pg/ml)
- FT4(基準値:0.90〜1.70 ng/m)
- TSH(基準値:0.50〜5.00μIU/m)
であるところ
数値が高くなる検査項目は
- TgAb
- TPOAb
- TSH
の3つです。
数値が低くなる検査項目は
- FT3
- FT4
の2つです。
検査結果が上記のようになったなら橋本病を強く疑います。
橋本病はこちらの記事でも説明しているような症状が出ることがあるので
症状なども加味して、最終的な診断をしていきます。
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