副甲状腺ホルモンは骨粗鬆症を悪化させるの?
副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウム濃度を高くする作用があります。
具体的には副甲状腺ホルモンは副甲状腺から分泌されます。
もし血液中のカルシウム濃度が低くなると
副甲状腺ホルモンを分泌し血液中のカルシウム濃度を正常な量に戻します。
逆に血液中のカルシウム濃度が高くなると
副甲状腺ホルモンの分泌を抑え、カルシウム濃度を正常に戻すわけです。
もし副甲状腺ホルモンが分泌されると
骨からカルシウムを奪い、血液中に流します。
「では、副甲状腺ホルモンが分泌されたら骨がもろくなり
骨粗鬆症になるのですか?」と疑問に感じた方もいるでしょう。
確かに長時間副甲状腺ホルモンが出続けたら
骨からカルシウムが溶け出し、骨がもろくなり骨粗鬆症になります。
でも、ちょっとずつ間隔をあけて副甲状腺ホルモンが体に入ると
骨を作る骨芽細胞が刺激されて、むしろ骨が強くなるのです。
つまり、間隔をあけながら副甲状腺ホルモンが体に入ると骨粗鬆症の治療薬になるわけです。
ただ、間隔をあけながら体が勝手にうまいこと
副甲状腺ホルモンを分泌することは、ふつうありえません。
だからお薬として副甲状腺ホルモンを体にとり入れるわけです。
副甲状腺ホルモンのお薬の名前はテリパラチドといいます。
患者さんが目にする商品名としてはフォルテオが有名です。
最後にまとめますと、副甲状腺ホルモンは連続して分泌されると
骨からカルシウムを奪い、骨粗鬆症が悪化します。
でも、副甲状腺ホルモンのお薬を間隔をあけて体にとり入れることで
骨を作る骨芽細胞が刺激されて、むしろ骨粗鬆症の治療薬になります。
したがって、副甲状腺ホルモンは使い方によっては骨粗鬆症を悪化させることもあれば、
骨粗鬆症の治療薬にもなるということですね。
副甲状腺ホルモンのお薬は注射です。
- 毎日自分で注射するタイプ
- 週1回病院に通って静脈注射するタイプ
の2種類があります。
自分で注射を打つのが怖い方は病院に行き、
毎週病院に行っている暇のない方は自分で注射を打ちましょう。
どちらも効果は同じです。
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