TSHレセプター抗体の数値が高い場合に考えられる病気は?
血液中の甲状腺ホルモンの量が少なくなると
脳下垂体からTSH(甲状腺刺激ホルモン)が分泌されます。
TSHはTSHレセプター(TSH受容体)と合体し
甲状腺ホルモンを作らせて分泌させます。
その結果、血液中の甲状腺ホルモンの量を正常に保つのです。
ところが脳下垂体からTSHが分泌されなくても
甲状腺ホルモンを作らせ分泌させる物質があります。
これがTSHレセプター抗体です。
TSHレセプター抗体はTSHレセプターと合体し
甲状腺ホルモンを作らせ分泌させる作用があります。
その結果、甲状腺ホルモンの量が過剰になり
甲状腺機能亢進症を起こすことがあるのです。
TSHレセプター抗体は血液検査で調べることができます。
TSHレセプター抗体の量が正常よりも多い(高い)場合をバセドウ病といいます。
バセドウ病はTSHレセプター抗体の数値が高いために
甲状腺ホルモンがどんどん増えてしまう病気です。
その結果、甲状腺機能亢進症を起こします。
甲状腺ホルモンは新陳代謝や精神に関係しています。
- イライラする
- どれだけ食べても痩せてしまう
- 動悸がする
などの症状がでることがあります。
上記のような甲状腺機能亢進症の症状があるなら
血液検査でTSHレセプター抗体を調べるわけです。
そしてTSHレセプター抗体の数値が高いとわかったら
バセドウ病だと診断し、治療を開始します。
もちろんバセドウ病だと診断するのにTSHレセプター抗体だけを調べるわけではありません。
他にも甲状腺ホルモン(フリーT3、フリーT4)、TSH、抗TPO抗体なども
TSHレセプター抗体に加えてバセドウ病の診断に利用します。
ただ、もっともバセドウ病かどうかの診断の要になるのがTSHレセプター抗体なのです。
最後にまとめますと、TSHレセプター抗体の数値が高いなら
バセドウ病の可能性が高いです。
こちらも参考に!⇒バセドウ病の検査値と意味は?
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